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2009年5月2日土曜日

勝間和代さんの『断る力』を読んで

話題のベストセラーを読んでみた。楽しい本だった。断ることができるということは、イコール自己主張ができるということで、これがかけているから、仕事ができないのだ。断れない、しなくてもいい仕事を抱え、生産性を悪くしている。当然、成果もでない。まず、断ることが大事なのだという主張は、さすが、キャリアウーマンの代表たる勝間さんの面目躍如といったところであろうか。
海外の会議などで安易にyesといったり、うなづいてはいけないというのは常識で、yesといわずgood程度でお茶をにごすのは、よくやる手だ。そして、No、あるいはI can't understandといわないといけない。もちろん、ベルリッツのCMではないが、Noといった途端にWhyと聞かれるのがいやだから、英語で説明するのがいやだから、とりあえず、Noと言わないことにしよう、とはありがちなことだ。もちろん、外交でも同じで、石原知事が昔、出版したように、「NO」と言える日本、はだいじなことだ。この本は、そこにも一脈通じるものがある。
このような文章がまだ、ベストセラーになることに、一抹の感慨がある。まだ、女性がこういう発言をすることを好む風潮が、日本のなかにあることに驚きを感じてしまった。多くの女子大生をみていても同じように感じることがある。自己主張は、たしかに男性よりも強くなっているように思えることは多い。はっきりとものをいい、ことわるときははっきりことわる。それに比べて男性がはっきりものをいわず、やわに見えてしまうのも、あるいは、当然なのかもしれない。したがって、断れることが能力だと見てもおかしくない。しかし、それは過信なのではないだろうか。はっきりものをいうことが、はっきりものをいわないことよりも、常に、優位だとは思えない。「断れない」、ではなく、「断らない」ことが、重要な能力である場合も少なくないのではないか。

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