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2010年1月15日金曜日

スパコンと事業仕分け

 日経ビジネス12月21-28合併号直言極限「スパコンは無意味」を読んだ。事業仕分け、とりわけスパコンを巡っての様々な議論がなされたがやっと、IT専門家の、いわ ばまともな意見を初めて聞いた思いがした。 
 松本氏は、こう述べる。世界一というのは感情論であるばかりでなく、その指標自体が無意味になっている。高速なハードの開発よりも、製品を早く開発できるソフトツールのほうが、明らか に価値が高くなっている。 
考えてみれば当然のことだが、高速処理能力のハードが必要だということと、科学技術への投資が必要だということと、スパコン開発に税金を投入するということとはまったく同義ではない。 
すでに主戦場はハードからソフト、そしてクラウドに代表されるサービスに移っているときに、高速処理のためのハードを開発することの意義は、少なくてもIT産業にはまったくないというの は常識である。 スパコンが言い出され、開発に着手してからすでに20年たつ。
その間、少なくとも、ハードウェアの世界で、Unix機を米国メーカーからOEM販売するというように、日本か らすぐれた製品を輩出したという話は聞いたことがない。 かつてもスパコンに、投資するよりももっと、優先順位の高い重要な開発プロジェクトがあったはずだ。 
ノーベル賞学者を並べた政治的なセレモニーにもうんざりした。復活という動きもあるようだが、優先順位を決める科学技術会議での議論も公開されるべきではないか。