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2020年8月22日土曜日

「未来への大分岐」を読んで

 

今を時めく「帝国」の著者マイケルハート、「ポスト資本主義」のポールメイソン、そして「私は脳ではない」、「なぜ世界は存在しないのか」のマルクスガブリエルとの対談集、3人の著書を要約する感じで、非常にわかりやすい。

私は、前々からマルクスガブリエルに関心をもって読んできたので、解説を聞くような楽しさがあった。彼が提唱しているのは、いわゆる新実在論、どこがこれまでの哲学と違うのだろうか。

いわば古典的思想では、キリスト教が絶対真実であり、経典に真実が書かれているとされた。しかしそれを変えたのは、ルネッサンス、グーテンベルグの印刷技術、科学革命、産業革命、いわばまさしく近代とは、真実は客観的で唯一であり、心理の探求によって客観的真実に到達する。それは百科事典に記載される。

それに対して、ポスト近代の主張は、例えば、科学革命の構造に未利用に、真実は、思想を同じにする社会的グループによって構成される、いわば客観的な真実は存在せず、相対的ななものであると、してきた。いわば、公害、地球温暖化など、これまでの科学の弊害を述べて、近代を批判した。

しかし、では、真実はすべて、社会的に構成されるならば、共通なものはないのか、。

カント風に言えば、もの自体は不可知、疑っても疑えない真実がある、超越的、先見的知識があるとする、そこに人間に共通な倫理があるとする。