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2009年2月27日金曜日

IT経営力大賞、授賞式にて


講演動画映像

2009.02.25, 少し話しをしました。

以下そのストーリーです。資料は、次のサイトを参照ください。

・昨年来の金融危機で2つのことを学習した。第1に、現代の経済は信用に大きく依存しており、それが拡大すれば、需要が増大し、経済も拡大する。収縮すれば、需要が減退し、経済は縮小する。第2に、ネットワーク網の整備と業務のグローバル化によって、いとも簡単に、膨大な資金が国を越えて移動できる。

・この2つは社会システムとして人類が構築してきた武器ともいえるもので、そのパワーは原子爆弾にも比肩しうるほど強力である。人類はこの武器の危険さを昨年知った。次の時代は原子爆弾をコントロールするのと同じように、注意をもって管理することが大きな命題となっている。

・この世界大不況を超えた次に、それが5年後であれば、その風景は今と大きく異なる。世界が注目しているのは、BOPマーケット、すなわち世界の最貧困層に属する40億人をどのようにして経済の枠組みに加えるかである。単に、支援するのではなく、教育し、雇用の場を作り、給与を支払うことによって消費購買層として成長させうるかである。ケニアにコーヒー豆の会社を経営している日本人経営者がすでにいる。人を育てるという日本特有の強みをいかすべきではないか。

・オバマ大統領は就任演説で、石油を使うことはテロを助長するとさえいった、だから環境にやさしいエネルギー技術にとりくむと。これは国家戦略の転換なのだ。どんな時代になっても世界は日本を必要とするはずだ。石油価格が上昇し、油田を掘削するならば、掘削機械は、日本の技術を応用せざるを得ない。環境重視になったら、やはり日本の技術が不可欠なのだ。

・マイケル・ポーターは危機こそ、有能な経営者が改革に専念できる好機だと述べる。森精機の社長も、今、仕掛けておくことが、景気回復時期に大きな採算性の向上に結びつくという。まさしく、この時期にIT経営の真価が問われているのだ。本当に役に立つのかと。

・IT経営の駆動力はIT投資余力と経営者の改革意欲だ。好況期は投資余力はあっても、改革意欲はあまりない。今の不況期には改革しなければ生き残れない、これは経営者の常識だ。いかに少ない費用で改革を実現するかを考えるしかない。

・基本戦略は、従来の初期投資モデル、すなわち最初に大きく支払って、その後、ゆっくりと効果を上げ回収するモデルから、新たな変動費モデル、すなわち、早く効果を上げ、必要な費用だけ支払うモデルへと転換することである。そのための施策が、アジャイル開発であり、Saasの活用である。それによって、経営リスクを最小にできるIT経営の構築が可能になる。
 アジャイル開発は、日本的生産システムをソフトウェア開発に応用したものである。とりわけ、必要なソフトを必要な時に必要なだけ作るという精神である。重要なのは、企業、ITコーディネーター、そしてベンダーが、分業ではなく、一緒になってチームワ-クを構成することである。
 Saasは、従来の作ることを中心に情報システムを構築するのではなく、使うことを重視した情報システム構築への転換を意味する。
 CIOは、まさしく企業の全体構造を明示し、ブレのないように、必要な情報システムを構築するという使命をもっている。
 Saasの基本は業務代行である。EDIで受注した案件を、受注者に代わって回収代行してくれるならば、中小中堅企業にとって大きなメリットである。

・IT経営が役立つかどうかは、経営者の改革意欲による。しかし、改革意欲のある経営者を今こそ裏切らない覚悟をもって支援するのがまさにIT経営なのではないだろうか。

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