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2015年4月22日水曜日

日本の歴史(小学館)「鎖国という外交」がおもしろいです。

日本の歴史、小学館

鎖国という外交

読んでいてこんなに面白い歴史本に、久しぶりに出会った。
何より外国人の日本史研究者の執筆であることが、何よりユニークな視点を提供してくれる。
まず、江戸時代は決して鎖国政策をとったのでもなく、幕府も鎖国という言葉を使っていないという。キリスト教を押し付けようとするポルトガルを排除し、限られた港を通じて幕府が貿易を管理し、その利益を独占しようとした政策であるという。これも考えれば至極当然のことだ。
江戸時代を通じて、日本と朝鮮の関係は良好であり、朝鮮通信使が、何回も往復し、日本の文化になじんでもいた。それが、明治になって、征韓論などがでてきたのは、長州の吉田松陰らの過激な思想、とくに、いにしえの文書を早飲み込みをして、朝鮮は日本より下だだという偏見(ヒットラーのユダヤ観に近い)からもたらされたとする。いわば、長州藩の狭い了見が、明治から昭和にかけて、さらにいえば、太平洋戦争敗戦まで日本をひっぱっていった元凶とさえ思わされる。
富士山は、日本の自慢であり、すでに世界一であると、当時の日本人は考えており、それは中国など海外にも知られていた。幕末に日本に来た外交官が富士登山に成功したが、下山時に、台風に襲われたとことを、汚れた外国人が清い富士山に登ったから、神様が怒ったと評されたエピソードなど、知らない事実を説き起こしてくれる。また、それが最新の研究者では、上司こになりつつあるというのも驚きだ。

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