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2012年3月14日水曜日

学位の品格

博士号というのがある。これを学位という。いわば最高学府である大学院が、認定する。それは最高の良識の証左ともいえよう。資格というのかどうかはわからないが、社会的に認知度の高いものであることに異論をはさむ人はほとんどいないであろう。
過去からいえば、文系では、いわば、歳をへた経験、実績を積んだ研究者が取得するものという認識が強いが、理系では、博士課程を修了した認証として授与されるという大きな違いが厳然として存在した。
それが証拠には文系では学位のない教授は、普通のことであるが、理系では、考えられない。格付けも、文系では教授の上に博士があり理系では博士の上に教授があるといってもよい。
海外では、よく言われるように、博士課程の修了が学位授与とする傾向があり、文部科学省もそれを奨励していると
される。つまり論文博士ではなく課程博士を重視すると言っているようだ。ちなみに海外で、たとえばホテルやコンファレンスで、自分の称号をしるす時、prof. とするか、Dr.とするかは意外に、気になる。どうも、profのほうが上ではないかと感じることがある。そんな違いが、文系、理系にあるのも確かなようだ。
しかし、この認定が実は研究レベルであるよりポリティクスによることも少なくない。”おれがもっていないのにどうして認定するのだ、オレはもっと歳をとってから取得した、なのにどうして認定するんだ”という好き嫌い、ネタミが少なくない。要は、大人げない社会的に未成熟な集団が意思決定をするからだ。このような社会で投票による認定という一見客観的な振る舞いが、日本の学位の品格を大いに低下させているのは間違いない。

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