武井淳執筆による 「ビジネス構造化経営理論」 を読んだ。
大著であり、なかなか読みこなすのに大変だが、ビジネスを情緒的でなく構造から 理解し、その変革を提起している姿勢に共感を覚える。 日本では米国に比べて、なぜか、実務と学界の距離がなかなか縮小しないのが現実で、 努力の割に進まない。 このように実務家が単なる事例紹介を超え、多くの理論を踏まえた、いわば研究成果 として出版されることは、ほんとうに喜ばしい。
学界はこれまで、このような、特にコンサルの手になるものを軽視しすぎていた。 しかし、学界が実証主義的研究が過ぎて、こまかいいわゆる重箱の隅をつうくといわ れて久しいが、それでなければ業績とみなされず、学会誌にも掲載されないとい う制度上の問題を克服できていない以上、多くを期待する訳にはいかない。
コンサルの強みは、いうまでもなく、実際の企業の生の声、そして、人間が経営して いるという感触を肌で得ている点である。しかし、それを、そのまま書くというのもま た、学界との距離をちぢめることにつながらない。 今回のような理論を踏まえながら、あくまで最適化、全体性を重視した論考にこそ、 価値があると考える。 たとえば、「事例主義からの脱却」には非常に共感を覚える。エクセレントカンパ ニーの事例研究はそれなりに価値はあるが、それが汎用化されうるのか、企業 のコンテキスト、資源ベース風にいえば経路依存性(その企業の歴史をふまえた)を、 十分、認識しなければ、安易に参考に出来ないはずである。そこに、解釈や、志向性( 働きかけ)のはいる余地が十二分とあると考えるからである。
構造化理論はある意味で客観性重視であり、構造改革のためのものである。 この本が、日本の経営も大きな貢献をするとともに、日本のコンサルビジネスの発展に寄与 することを願ってやまない。
学界はこれまで、このような、特にコンサルの手になるものを軽視しすぎていた。 しかし、学界が実証主義的研究が過ぎて、こまかいいわゆる重箱の隅をつうくといわ れて久しいが、それでなければ業績とみなされず、学会誌にも掲載されないとい う制度上の問題を克服できていない以上、多くを期待する訳にはいかない。
コンサルの強みは、いうまでもなく、実際の企業の生の声、そして、人間が経営して いるという感触を肌で得ている点である。しかし、それを、そのまま書くというのもま た、学界との距離をちぢめることにつながらない。 今回のような理論を踏まえながら、あくまで最適化、全体性を重視した論考にこそ、 価値があると考える。 たとえば、「事例主義からの脱却」には非常に共感を覚える。エクセレントカンパ ニーの事例研究はそれなりに価値はあるが、それが汎用化されうるのか、企業 のコンテキスト、資源ベース風にいえば経路依存性(その企業の歴史をふまえた)を、 十分、認識しなければ、安易に参考に出来ないはずである。そこに、解釈や、志向性( 働きかけ)のはいる余地が十二分とあると考えるからである。
構造化理論はある意味で客観性重視であり、構造改革のためのものである。 この本が、日本の経営も大きな貢献をするとともに、日本のコンサルビジネスの発展に寄与 することを願ってやまない。
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